英語タイトル:Postural disturbance in patients with normal pressure hydrocephalus
著者:Blomsterwall E,
雑誌:Acta Neurol Scand 2000: 102: 284±291
PMID:11083504
この論文は正常圧水頭症(NPH)と皮質下血管性脳障害(SAE)との姿勢・歩行障害の違いなどからNPHのバランス障害の本質に迫ろうとしているものですが、論文の中に臨床へのヒントが書かれていたのでそれを紹介します。
・NPHの姿勢機能障害は圧中心(CoP)の大きな前方変位と、前後移動の困難さ、左右へのスウェイ増強、前傾姿勢の増強に特徴づけられる。
・NPH患者が歩行を行うと、足関節の硬さと足関節背屈筋群の活動低下がみられる。
・NPH症例におけるバランス障害の考えられうる解釈としては、垂直軸の感覚が障害されているという事である。
・NPHの姿勢機能障害は、橋の姿勢中枢部における垂直軸の〝誤った解釈”が原因かもしれない。
NPH症例になぜ姿勢調節障害が起こるかは、いまだに明確化されていませんが、この論文では”橋の障害で自覚的垂直軸がずれる事”としていますね。
もちろんシャント手術が第一選択である事は言うまでもありませんが、この自覚的垂直軸を元通りに近づけようとするのが一つセラピーの挑戦なのかもしれません。
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