2016年10月6日木曜日

小脳が関わる言語学習とは?


英語タイトル: Cerebellar contributions to motor control and language comprehension: searching for common computational principles

著者 : Moberget T, et al (ノルウェー)
雑誌名 : Ann N Y Acad Sci. 2016.
PMID : 27206249

Keywords:
cerebellum 小脳
language 言語
cognition 認知
motor control 運動コントロール
computational mechanisms 計算メカニズム
internal models 内部モデル


小脳といえば感覚運動コントロールや学習などだけでなく、高次脳機能や言語などに関わる事が報告されていますが、この研究では、言語についての言及がなされています。

論文のはじめの方では、小脳の全般的機能などについて説明があり、後半では言語について興味深い事が書かれていました。

このblogでは後半部のにおける言語の事について本文より参照していきたいと思います。
小脳の機能のみならず、英語学習にも役に立つと思います。

・スピーキングの予測は、人が簡単に行える活動である。
・話者は毎分2–300文字を話す事ができ、世界一の人では600文字を話すという。
・これは話者だけでなく、聞いている方も複雑な音や語彙を聞き分けるためとても難しい。
・言語学者の間では、これらの聞き取りが予測によって可能になっていると考えている
(つまり話し方や、パターン)。
・予測しやすい言葉の方が、予測しにくい言葉よりも早く読む事ができるのはよく知られている。
・正確なスピーキングのやりとりを行う時や、話者か次に話す事について予測する時には内部モデルが補助している。

・小脳は言語の予測時や、エラー検出時に活動している(下図)。



《私見》
つまり、小脳には言語の内部モデルが貯蓄されており、これが理解にも話すにも欠かせない部位である事が分かりますね。
言語の学習は無意識下にどれだけ落とし込めたかが大切だと体感していましたが、この論文から引用させて頂きますと、小脳に落とし込むと言うところでしょうか?興味深いですね。無意識的な領域に落とし込むには、よい文の反芻が重要なので、やはり英書を読んだり文法書を反復して音読する事が大切なのかもしれませんね。

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