テーマ: 運動学習は教える事を前提に行うと強化されるだろうか?
★Expecting to teach enhances motor learning and information processing during practice
→Human Movement Science 49 (2016) 336–345
キーワード:
Skill acquisition : スキル習得
Teaching : 教育
Motor preparation : 運動準備
今日はアメリカのAuburn University、Marcos Daouさんらが書いた英論文を紹介します。
Daouさんらは、「自分が教育する事を前提に学習すると学習が良いとする研究はなされてるけど、それは学際的なものばかりで、運動学習については少ない。」とし、56名の健常男女(20代前後)を対象にして、ゴルフのパットの練習をさせました(120cm先の目標に向けてパットをする)。
グループ①は
"教師役として他の参加者に教える事を前提として行う"群で、
グループ②は
"後にテストを受けると言われるだけの群"としていました。
期間は7日間ですが、テストだけ受ける群よりも教師役群において正確性が増したそうです。しかも、とくにモチベーションや不安などが増加したわけでもなかったそうです。
1つだけ行動の変化が現れたところは、それぞれのパット時に注意深く準備が見られた事であったとしています。
教師役も行うとした群では、おそらく情報処理が増加していたのではないか?と結論付けています。
《私見》
脳機能画像があった訳ではないので、これで脳のどの部位がどう働く的な事は言えませんが、誰かに教えるつもりで練習した方が上手くなるという事は経験的にも合致するところですよね。セラピスト間で治療技術練習を行う事は割とあるかもしれませんが、誰かに教えるつもりでやった方が上達が早い可能性を示してくれる研究ですね。
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