2016年9月23日金曜日
パーキンソン病患者の運動症状の違いは、ワーキングメモリーに関係するか?
テーマ: Motor Subtype as a Predictor of Future Working Memory Performance in Idiopathic Parkinson's Disease
雑誌名: PLoS One. 2016.
PMID : 27015637
今日はオーストラリアのAndrew R. Johnsonさん達の文献を紹介します。
彼らはパーキンソン病患者の運動症状の違い(振戦優位タイプか、姿勢不安定/歩行障害タイプ)によって、ワーキングメモリーの能力に差が出るか、2年間にわたって調査しました。
患者数は114名のパーキンソン病と診断を受けたヤール2-3くらいの症例で、オン時のUPDRS、MMSE、CANTAB SWM(Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery Spatial Working Memory Task)、LED(平均Levodopa 投薬量)などを比較しています。
開始時では両群のワーキングメモリーに差はなかったようですが、2年後では、姿勢不安定/歩行障害タイプのみワーキングメモリーの低下を予測させるような変化が生じたそうです。
また、振戦自体の変化はワーキングメモリーと関連しなかったそうです。
そこで彼らは、姿勢不安定性や歩行障害を呈している症例は、2年後にはワーキングメモリーの低下が起こる事を臨床的に予測できるのではないかと結論づけております。
《私見》
それぞれの関連が鶏と卵の関係のようになっているかは定かではありません。ワーキングメモリー低下(前頭葉機能の低下)によりバランスが悪くなってしまうのか?はまだ他に文献を探る必要がありそうです。
何れにしても、パーキンソン病のバランスが悪くなるメカニズム自体の解明がもっと必要そうですね。
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