テーマ: 脳卒中患者のバランス能力に二重課題が与える影響
★Effect of dual tasks on balance ability in stroke patients
キーワード: Stroke、Dual-task training、Balance
今日は韓国のYeungnam University、Gui bin Songさん(PT)らが書いた英論文を紹介します。
Guiさんらの意見は
・転倒せずにバランスを保持する能力は、日常生活を送る為に必要不可欠な要素であるが、脳卒中患者ではこれが欠けている。
・バランストレーニングや二重課題練習には種々のものがあるが、二重課題がバランス能力を改善させるかを調査したものは少ない。
→そこで「二重課題がバランス能力改善に寄与するかを調べる運びとなった」としている。
被験者は発症後1年前後経過した視覚、前庭器官、整形外科的疾患、可動域制限、認知機能低下等のない症例(MMSE24点以上)で、本研究の運動療法が行える方としている。また、二重課題(20名)と単一課題(20名)に分けてその差を見ている。
ここで言う二重課題とは、バランスボード上でスイスボールを投げたり取ったりする課題である。単一課題施行者は椅子に座って行い、バランス練習は別個に行う。
結果としては、両群とも介入前よりも改善が見られたが(重心移動率や前後スウェイの幅、ベルグバランススケール得点など)、二重課題グループの方が有意に良くなった事を報告している(p < 0.05)。
その為、考察ではバランス練習を行う際、二重課題を組み合わせる方が有効であるとしている。
《私見》
本文献のデータをよく見ると、ベルグバランススケールがはじめから36点前後なので、普段日本で臨床的に病棟内フリーとなっている症例が対象だという事がわかります。その位のバランス能力を持っている症例には、二重課題を組み合わせたバランス練習を積極的に用いる必要性がある事を示唆している文献と思われます。
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